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第18回・テーピングについて
2014年7月号
今月のコラム担当:籔内院長
柔之道整骨院の院長でもあり大阪社会人サッカー一部に所属しているテクノネット大阪の現役のフィールドプレイヤーでもあり選手のスポーツトレーナーなども務める。
こんにちは。 院長の籔内です。 今回のコラムはテーピングです。 サッカーのワールドカップブラジル大会がテレビで放映されていて怪我をされている選手が、テーピングを巻いて出場されている画像がチラホラ見受けられますよね? 選手の方はどんなテーピングを使っているのか?? 何のために?? テーピングの効果としては・・・ 1. 可動範囲が制限できる 捻挫、靱帯損傷、脱臼などは、その部位が正常な範囲を超えてしまった結果、起こる障害です。 このようなケガを防止するには、テーピングによる可動範囲の制限が効果的です。 2. 傷害を受けて弱くなった部位を補強できる ケガをして弱くなった関節や筋肉、靱帯、腱などにテーピングをすると、その部位を補強することができます。 これはケガの再発予防に効果的です。 3. ケガへの恐怖感を軽減できる 過去にケガをしたプレーヤーは、ケガに対する恐怖を抱くことがあります。 受傷部位を補強、保護することで、安心感が生まれ、思い切りプレーできるようになります。 今回はこれらを踏まえてテーピングについて触れたいと思います。 テーピングと言っても本当にたくさんの種類があって選手の状態・競技・グランド状況によっても変わってきます。 よく使われるテーピングの種類を5種類紹介したいと思います。 まずは ホワイトテープ よく使われているテープであまり伸びたり縮んだりしないテープです。 アンダーラップ テーピングを巻くときに皮膚を保護してくれる下地です。 エラスコットテープ ホワイトテープに比べて伸び縮みしやすいテープです。 ハンディカットテープ テーピングを巻いた後のラッピングや軽い固定などに使われます。 キネシオテープ 主に筋肉のサポートに使います。比較的巻くというよりも貼ることが多いです。 こちらもテーピングの下地に使われる事もあります。 当院で一番多く巻くのが足首の捻挫です。 今回は足首の捻挫について少し深く書いておきます。 怪我の原因としては・・・ ・段差につまずいた時 ・階段を踏み外した時 ・自転車で横転した時 ・スポーツ中くぼみに足を取られた時 etc 解剖学的にみた足関節について 外側 内側 1.距腿関節(きょたいかんせつ) 足首の関節を一般的に足関節(そくかんせつ)といいます。 この足関節は、下腿の骨である腓骨(ひこつ)と脛骨(けいこつ)及び足の骨の距骨(きょこつ)の3つの骨で構成され、解剖学的には距腿関節といいます。 腓骨と脛骨が合わさり、ほぞ穴のような関節窩(かんせつか)を形成し、距骨滑車(きょこつかっしゃ)と呼ばれる距骨の関節頭(かんせつとう)が、そのほぞ穴状の関節窩 (かんせつか)にピタリと収まるように関節しています。 この距骨滑車の両側面下部には腓骨の外果 (がいか)と脛骨の内果(ないか)と呼ばれるいわゆるくるぶしの骨に対応する関節面が突出しており、それぞれ外果面、内果面といいます。 この距腿関節は、その関節の形状から分かるように、足首の曲げ伸ばし、即ち足関節の背屈と底屈の動作が主な運動です。つまり足関節の内返しや外返しといった動作は ほとんどできません。 ただし、距骨滑車の上面は長軸方向(解剖学的には矢状方向)にやや陥凹しており、側方へローリングするように回転する外転・内転という動きが可能となっています。 この動きが内返しや外返しの動作に加わります。しかし、外転に際し腓骨の外果が距骨の外果面に接触し、また内転に際しては脛骨の内果が距骨の内果面に接触するため、この外転・内転運動は極めてわずかな動きしかできない構造になっています。 では、足関節の内返しや外返しの動作は、いったいどのようにして行えるのでしょうか。実は、距腿関節の下には距骨下関節(きょこつかかんせつ)という関節がもう一つ存在し、その関節で内返しや外返しの動きが可能となります。 見かけ上の足関節の動きは、この距腿関節と距骨下関節の共同運動により成り立っており、機能面から見ると、距腿関節と距骨下関節を合わせて足関節とみなすことができます。 これら関節のそれぞれの特性は、 足の捻挫の発生幾転や固定などを考える上で重要となります。 2.距骨下関節(きょこつかかんせつ) 距腿関節の直下には、距骨と踵骨(しょうこつ)の間で関節する距骨下関節があります。距骨下関節は、距骨の下面と踵骨の上面で関節しています。またその関節面は、前距踵関節(ぜんきょしょうかんせつ)、中距踵関節(ちゅうきょしょうかんせつ)、後距踵関節(こうきょしょうかんせつ)の3つに分かれて構成されています。 この様に一見複雑な関節を構成していますが、それぞれの関節のかみ合わせは浅くできており、比較的自由度のある運動が可能となっています。 距骨下関節の運動は、大雑把に例えると上下四方へローリング運動をすることです。即ち上面でみると足の先端を左右へ振るように回転し(図:距骨下関節の運動㈰)、側面では 踵骨の先端が上下するように前後へローリング(図:距骨下関節の運動㈪-A及びB)、 前後面でも踵骨が左右へローリングする動き(図:距骨下関節の運動㈫)があ ります。しかし、これらの運動はそれぞれ個別に動くのではなく、その動作の組み合わせにより足関節の内返しや外返し、あるいは足関節の内反、外反運動を可能にしています。 3.足関節の靱帯 足関節は関節包(かんせつほう)という線維性の組織で覆われています。関節包は関節の運動が円滑に行えるように機能する組織で関節軟骨の代謝やヒアルロン酸などの分泌などの作用もあります。関節包よりも表層には、足関節を前後左右にしっかり支える複数の靱帯があります。 (1)主に距腿関節の内側を支える靱帯 距腿関節の内側を支える主な靱帯は浅層と深層に分かれています。浅層は脛骨内果から前下方へ舟状骨内側を連結する脛舟部(けいしゅうぶ)と 、脛骨内果下端と踵骨の載距突起(さいきょとっき)を連結する脛踵部(けいしょうぶ)からなり、その後方には深層の後脛距部靱帯が見えています。深層は前方の前脛距部(ぜんけいきょぶ)と後方の後脛距部(こうけいきょぶ)からなり 、脛骨内果と距骨内側を連結しています。 この内側の靱帯は、脛骨付着部より踵骨に向かって扇状に広がり三角形状に見えるため、三角靱帯と呼ばれます。 これら距腿関節の内側を支える靱帯は非常に強固に構成されているため、歩行中に軽く捻ったぐらいではほとんど損傷することは無く、スポーツや事故などによる強い外力の作用を生じたときに起こります。 (2)主に距腿関節の外側を支える靱帯 距腿関節の外側を支える主な靱帯は、前方から前距腓(ぜんきょひ)靱帯、踵腓(しょうひ)靱帯、後距腓(こうきょひ)靱帯で構成されています。前距腓靱帯は腓骨外果の前縁から前下方へ距骨に付着し、後距腓靱帯は外果の内側面後方からほぼ水平に距骨後突起内側結節に付着しています。踵腓靱帯は外顆下端から後下方へ斜走して踵骨外側面に付着します。 (3)距腿関節の前方と後方を支える靱帯 距腿関節の上方で脛骨と腓骨の下部を連結する靱帯があります。前方にあるのは前脛腓靱帯(ぜんけいひじんたい)といい、前方で腓骨外果の上部と脛骨下端外側を連結しています。また後方にあるのは後脛腓靱帯(こうけいひじんたい)といい、後方で腓骨外果上部と脛骨下端外側を連結しています。 脛骨と腓骨は距骨滑車を内外側から挟み込むように位置しており、この靱帯によりその脛腓間をしっかり連結しています。 もしもこの靱帯を損傷し脛腓間の連結が緩むと、距骨の円滑な運動が損なわれて、距骨滑車が脛骨や腓骨の関節面と衝突するようになり、関節軟骨の骨折や変形を生ずる原因となることがあります。 (4)距骨下関節を支える主な靱帯 距骨下関節の内側には、前方から底側踵舟靱帯(ていそくしょうしゅうじんたい)、内側距踵靱帯(ないそくきょしょうじんたい)があります。底側踵舟靱帯は踵骨の載距突起と舟状骨の内側下部を連結する靱帯で、内側距踵靱帯は載距突起と距骨後突起内側結節を連結する靱帯です。後方では、距骨後突起外側結節と踵骨を連結する後距踵靱帯 (こうきょしょうじんたい)があります。外側には、距腿関節の項目で解説した踵腓靱帯の直ぐ下に平行するように外側距踵靱帯(がいそくきょしょうじんたい:距骨と踵骨を結ぶ靱帯)が存在し、さらにその前方で骨 間距踵靱帯(こっかんきょしょうじんたい)と頚靱帯(けいじんたい)が距骨と踵骨の外側の連結を補強しています。また、距骨下関節の靱帯ではありませんが、この骨 間距踵靱帯よりも前方で踵骨と舟状骨・立方骨を連結する Y字状をした二分靱帯(にぶんじんたい)があります。Y靱帯とも呼ばれるこの二分靱帯も、足関節捻挫により損傷を起すことがあります。 足関節の運動 足関節は見かけ上、背屈、底屈、内返し、外返しの4つの動きがあります。背屈(屈曲)は足の先を上に向ける方向へ足首を曲げる動作のことで、底屈(伸展)は足の先を下に向ける方向へ足首を 伸ばす動作のことです。また、内返しは足裏を内側に向ける動作で、回外ともいわれます。一方外返しは足裏を外側へ向ける動作で、回内ともいわれます。足関節の運動は構造概略の項で述べた通り、距腿関節と距骨下関節の共同作業により成り立っています。 距腿関節はその運動軸が一つで、背屈と底屈(すなわち曲げ伸ばし)の動作のみ行うことができる関節です。 しかし、距腿関節に若干の遊びがあるため、 わずかに内転・外転の動きがあります。ただし、距骨関節面の幅が前方ほど広くなっているため、距腿関節を背屈するほど関節の遊びがなくなり、内転・外転の動きができなくなります。逆に底屈するほど距骨関節面の幅が狭くなるため遊びが やや大きくなり、内転・外転の可動範囲が広がります。距骨下関節 では外転・内転運動(長軸回転)、屈曲・伸展運動(横軸回転)、外旋・内旋運動(縦軸回転)を行うことができます。 この動きの組み合わせにより、内返しと外返しの動作が可能になります。 実際にテーピングを巻いている動画を掲載しましたの一度ご覧ください!!
19/03/19
19/02/25
19/02/20
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2014年7月号
今月のコラム担当:籔内院長
柔之道整骨院の院長でもあり大阪社会人サッカー一部に所属しているテクノネット大阪の現役のフィールドプレイヤーでもあり選手のスポーツトレーナーなども務める。
テーピングについて。
こんにちは。
院長の籔内です。
今回のコラムはテーピングです。
サッカーのワールドカップブラジル大会がテレビで放映されていて怪我をされている選手が、テーピングを巻いて出場されている画像がチラホラ見受けられますよね?
選手の方はどんなテーピングを使っているのか??
何のために??
テーピングの効果としては・・・
1. 可動範囲が制限できる
捻挫、靱帯損傷、脱臼などは、その部位が正常な範囲を超えてしまった結果、起こる障害です。
このようなケガを防止するには、テーピングによる可動範囲の制限が効果的です。
2. 傷害を受けて弱くなった部位を補強できる
ケガをして弱くなった関節や筋肉、靱帯、腱などにテーピングをすると、その部位を補強することができます。
これはケガの再発予防に効果的です。
3. ケガへの恐怖感を軽減できる
過去にケガをしたプレーヤーは、ケガに対する恐怖を抱くことがあります。
受傷部位を補強、保護することで、安心感が生まれ、思い切りプレーできるようになります。
今回はこれらを踏まえてテーピングについて触れたいと思います。
テーピングと言っても本当にたくさんの種類があって選手の状態・競技・グランド状況によっても変わってきます。
よく使われるテーピングの種類を5種類紹介したいと思います。
まずは
ホワイトテープ
よく使われているテープであまり伸びたり縮んだりしないテープです。
アンダーラップ
テーピングを巻くときに皮膚を保護してくれる下地です。
エラスコットテープ
ホワイトテープに比べて伸び縮みしやすいテープです。
ハンディカットテープ
テーピングを巻いた後のラッピングや軽い固定などに使われます。
キネシオテープ
主に筋肉のサポートに使います。比較的巻くというよりも貼ることが多いです。
こちらもテーピングの下地に使われる事もあります。
当院で一番多く巻くのが足首の捻挫です。
今回は足首の捻挫について少し深く書いておきます。
怪我の原因としては・・・
・段差につまずいた時
・階段を踏み外した時
・自転車で横転した時
・スポーツ中くぼみに足を取られた時
etc
解剖学的にみた足関節について
外側
内側
1.距腿関節(きょたいかんせつ)
足首の関節を一般的に足関節(そくかんせつ)といいます。
この足関節は、下腿の骨である腓骨(ひこつ)と脛骨(けいこつ)及び足の骨の距骨(きょこつ)の3つの骨で構成され、解剖学的には距腿関節といいます。
腓骨と脛骨が合わさり、ほぞ穴のような関節窩(かんせつか)を形成し、距骨滑車(きょこつかっしゃ)と呼ばれる距骨の関節頭(かんせつとう)が、そのほぞ穴状の関節窩 (かんせつか)にピタリと収まるように関節しています。
この距骨滑車の両側面下部には腓骨の外果 (がいか)と脛骨の内果(ないか)と呼ばれるいわゆるくるぶしの骨に対応する関節面が突出しており、それぞれ外果面、内果面といいます。
この距腿関節は、その関節の形状から分かるように、足首の曲げ伸ばし、即ち足関節の背屈と底屈の動作が主な運動です。つまり足関節の内返しや外返しといった動作は ほとんどできません。
ただし、距骨滑車の上面は長軸方向(解剖学的には矢状方向)にやや陥凹しており、側方へローリングするように回転する外転・内転という動きが可能となっています。
この動きが内返しや外返しの動作に加わります。しかし、外転に際し腓骨の外果が距骨の外果面に接触し、また内転に際しては脛骨の内果が距骨の内果面に接触するため、この外転・内転運動は極めてわずかな動きしかできない構造になっています。
では、足関節の内返しや外返しの動作は、いったいどのようにして行えるのでしょうか。実は、距腿関節の下には距骨下関節(きょこつかかんせつ)という関節がもう一つ存在し、その関節で内返しや外返しの動きが可能となります。 見かけ上の足関節の動きは、この距腿関節と距骨下関節の共同運動により成り立っており、機能面から見ると、距腿関節と距骨下関節を合わせて足関節とみなすことができます。
これら関節のそれぞれの特性は、
足の捻挫の発生幾転や固定などを考える上で重要となります。
2.距骨下関節(きょこつかかんせつ)
距腿関節の直下には、距骨と踵骨(しょうこつ)の間で関節する距骨下関節があります。距骨下関節は、距骨の下面と踵骨の上面で関節しています。またその関節面は、前距踵関節(ぜんきょしょうかんせつ)、中距踵関節(ちゅうきょしょうかんせつ)、後距踵関節(こうきょしょうかんせつ)の3つに分かれて構成されています。
この様に一見複雑な関節を構成していますが、それぞれの関節のかみ合わせは浅くできており、比較的自由度のある運動が可能となっています。
距骨下関節の運動は、大雑把に例えると上下四方へローリング運動をすることです。即ち上面でみると足の先端を左右へ振るように回転し(図:距骨下関節の運動㈰)、側面では 踵骨の先端が上下するように前後へローリング(図:距骨下関節の運動㈪-A及びB)、
前後面でも踵骨が左右へローリングする動き(図:距骨下関節の運動㈫)があ ります。しかし、これらの運動はそれぞれ個別に動くのではなく、その動作の組み合わせにより足関節の内返しや外返し、あるいは足関節の内反、外反運動を可能にしています。
3.足関節の靱帯
足関節は関節包(かんせつほう)という線維性の組織で覆われています。関節包は関節の運動が円滑に行えるように機能する組織で関節軟骨の代謝やヒアルロン酸などの分泌などの作用もあります。関節包よりも表層には、足関節を前後左右にしっかり支える複数の靱帯があります。
(1)主に距腿関節の内側を支える靱帯
距腿関節の内側を支える主な靱帯は浅層と深層に分かれています。浅層は脛骨内果から前下方へ舟状骨内側を連結する脛舟部(けいしゅうぶ)と 、脛骨内果下端と踵骨の載距突起(さいきょとっき)を連結する脛踵部(けいしょうぶ)からなり、その後方には深層の後脛距部靱帯が見えています。深層は前方の前脛距部(ぜんけいきょぶ)と後方の後脛距部(こうけいきょぶ)からなり 、脛骨内果と距骨内側を連結しています。
この内側の靱帯は、脛骨付着部より踵骨に向かって扇状に広がり三角形状に見えるため、三角靱帯と呼ばれます。
これら距腿関節の内側を支える靱帯は非常に強固に構成されているため、歩行中に軽く捻ったぐらいではほとんど損傷することは無く、スポーツや事故などによる強い外力の作用を生じたときに起こります。
(2)主に距腿関節の外側を支える靱帯
距腿関節の外側を支える主な靱帯は、前方から前距腓(ぜんきょひ)靱帯、踵腓(しょうひ)靱帯、後距腓(こうきょひ)靱帯で構成されています。前距腓靱帯は腓骨外果の前縁から前下方へ距骨に付着し、後距腓靱帯は外果の内側面後方からほぼ水平に距骨後突起内側結節に付着しています。踵腓靱帯は外顆下端から後下方へ斜走して踵骨外側面に付着します。
(3)距腿関節の前方と後方を支える靱帯
距腿関節の上方で脛骨と腓骨の下部を連結する靱帯があります。前方にあるのは前脛腓靱帯(ぜんけいひじんたい)といい、前方で腓骨外果の上部と脛骨下端外側を連結しています。また後方にあるのは後脛腓靱帯(こうけいひじんたい)といい、後方で腓骨外果上部と脛骨下端外側を連結しています。
脛骨と腓骨は距骨滑車を内外側から挟み込むように位置しており、この靱帯によりその脛腓間をしっかり連結しています。
もしもこの靱帯を損傷し脛腓間の連結が緩むと、距骨の円滑な運動が損なわれて、距骨滑車が脛骨や腓骨の関節面と衝突するようになり、関節軟骨の骨折や変形を生ずる原因となることがあります。
(4)距骨下関節を支える主な靱帯
距骨下関節の内側には、前方から底側踵舟靱帯(ていそくしょうしゅうじんたい)、内側距踵靱帯(ないそくきょしょうじんたい)があります。底側踵舟靱帯は踵骨の載距突起と舟状骨の内側下部を連結する靱帯で、内側距踵靱帯は載距突起と距骨後突起内側結節を連結する靱帯です。後方では、距骨後突起外側結節と踵骨を連結する後距踵靱帯 (こうきょしょうじんたい)があります。外側には、距腿関節の項目で解説した踵腓靱帯の直ぐ下に平行するように外側距踵靱帯(がいそくきょしょうじんたい:距骨と踵骨を結ぶ靱帯)が存在し、さらにその前方で骨 間距踵靱帯(こっかんきょしょうじんたい)と頚靱帯(けいじんたい)が距骨と踵骨の外側の連結を補強しています。また、距骨下関節の靱帯ではありませんが、この骨 間距踵靱帯よりも前方で踵骨と舟状骨・立方骨を連結する Y字状をした二分靱帯(にぶんじんたい)があります。Y靱帯とも呼ばれるこの二分靱帯も、足関節捻挫により損傷を起すことがあります。
足関節の運動
足関節は見かけ上、背屈、底屈、内返し、外返しの4つの動きがあります。背屈(屈曲)は足の先を上に向ける方向へ足首を曲げる動作のことで、底屈(伸展)は足の先を下に向ける方向へ足首を 伸ばす動作のことです。また、内返しは足裏を内側に向ける動作で、回外ともいわれます。一方外返しは足裏を外側へ向ける動作で、回内ともいわれます。足関節の運動は構造概略の項で述べた通り、距腿関節と距骨下関節の共同作業により成り立っています。 距腿関節はその運動軸が一つで、背屈と底屈(すなわち曲げ伸ばし)の動作のみ行うことができる関節です。
しかし、距腿関節に若干の遊びがあるため、 わずかに内転・外転の動きがあります。ただし、距骨関節面の幅が前方ほど広くなっているため、距腿関節を背屈するほど関節の遊びがなくなり、内転・外転の動きができなくなります。逆に底屈するほど距骨関節面の幅が狭くなるため遊びが やや大きくなり、内転・外転の可動範囲が広がります。距骨下関節 では外転・内転運動(長軸回転)、屈曲・伸展運動(横軸回転)、外旋・内旋運動(縦軸回転)を行うことができます。
この動きの組み合わせにより、内返しと外返しの動作が可能になります。
実際にテーピングを巻いている動画を掲載しましたの一度ご覧ください!!