第19回 ・エボラ出血熱って何？

2014年8月号

今月のコラム担当：浅川副院長

こんにちは。浅川です。
 
暑い日がまだまだ続きますが、夏バテなどはしてませんか？
 
エアコンで体調を崩したり、気だるさを感じている方も多いのではないでしょうか？
 
そんな時は、体をゆっくり休めて、食事でしっかりエネルギーを補給して元気に夏を乗り越えましょう。

さて、今回のコラムですが、『エボラ出血熱』という言葉を最近よく耳にすると思います。
ニュースや新聞などで度々取り上げられています。
アフリカなどで猛威を振るう『エボラ出血熱』ですが、実際どんな病気でしょうか？

まず、エボラ出血熱って何？

ウィルスにより発症する感染症です。
血液や体液などから感染します。
空気感染は基本的にはありません。
 
 
 
 
では、感染すると、どんな経過でどんな症状が現れるのでしょう？
だいたい、7〜10日前後の潜伏期間があります。最短2日・最長3週間というふり幅はあるようです。
潜伏中は全く症状はありません。
突然、発熱・悪寒・筋肉痛・頭痛・嘔吐・下痢・腹痛などの症状を呈します。
進行すると、目・耳・鼻・口など全身から出血がみられ死に至ります。
出血の多くは皮下出血で、その塊が血管を破いて出血します。
そして、コラーゲンを分解する作用もあり、内臓が溶けて壊死し、多臓器不全を引き起こします。
致死率は50〜90％と非常に高く、治癒しても後遺症を残すことが多いようです。
また、エボラ出血熱に対する有効なワクチンや、治療法は確立されていません。
 
 
もともとはコウモリに潜伏していたようで、アフリカなどの食用コウモリを食べたことが今回の流行の発端とされています。
それに加え、葬式の習慣などが流行の原因となっているようです。
 
 
本来は感染が拡大する前に、感染者が亡くなることが多いので流行は少ないようですが、時に今回のような大流行に発展することもあります。
 
 
 
 
症状などを見ていると怖いウィルスですが、感染者に直接接触しないと感染することはありません。
そして、日本では水際対策がなされているのでそこまで心配する必要はないようです。
ただし、当該国への渡航や帰国者との接触の際は気を付けたほうがよいでしょう。
 
 
しかし、最近特効薬と期待されている薬があるようです。
まだ未承認薬のようですが、ＷＨＯが使用を認めたようです。日本の技術が役に立つかもしれません。
 
 
今後どのような展開になるかわかりませんが早く終息することを願うばかりです。
これからもしばらくニュースなどで話題になることがあると思いますので、少し頭の片隅にでも留めておいてもらえると良いかなと思います。
 
以下は少々閲覧注意な画像となっております。
苦手な方はここまでにしておいてください。
 
エボラウィルス